「腹の虫がおさまらない」の虫ってなんの虫?
「腹の虫がおさまらない」という言い方がありますが、大昔は人の体や心を乱すのは、鬼だと考えられていました。
平安時代には体や心を乱す病気は鬼のせいだと考えられていました。
当時の医学書を見ると、確かに鬼のせいだとされる病気がいくつも書かれています。
病気というのは今では医学が治すものだという、そうじゃなかったんですよ。
医学は立場が弱くって宗教に頼らざるえないという面がかなりあったんですよね。
鬼が病を引き起こすと考えられていた平安時代は体の中から鬼を追い払う祈祷による治療が主流でした。
そのため、医者の出る幕はほとんどなかった。
しかし、医者たちが自分たちの活躍の場を広げようとして「鬼じゃないんだ」と「それは古い考え方なんだ」と、当時の医者たちが自分たちの地位を上げるため、病気の要因を鬼ではなく別のものにしようとしたのです。
鬼に替わって考えだされたのが虫でした。
病気の原因が人間には倒せず宗教に頼らなければならない鬼ではなく、小さな虫なら人間である医者でも退治できる。
「体内の悪さをするのは虫だ」という考え方を広めていったのです。
病気以外の心の変化も虫のせいだと考えるようになった。
「腹の虫がおさまらない」という時の虫の正体は医学が病気の原因として考えた虫がもとになっていると思われます。
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病気を引き起こす虫とは?
病気の数だけいるというさまざまな腹の虫の姿を当時の医者たちは必死に想像しました。
戦国時代の医者たちが考えた腹の虫たち。63種。
まずは今でいう肝臓病の症状を「ちょうまん」。
この虫のせいでおなかにに水がたまったり、全身がむくんだりすると考えられていました。
引用
そして今いう尿管結石の原因と考えられていた虫が「こしぬけのむし」。
症状は腰から下腹部にかけての激痛はこの虫が原因と考えられていました。
そしてお酒を飲みすぎる人のおなかにいるのは「おおざけのむし」。
大酒飲みの人が亡くなったあとには必ずこの虫が出てきたと言われていました。
こうして病気や心の変化を体内の虫のせいにする考えから腹の虫がおさまらない、虫の居所が悪いといった今でも私たちがよく使う慣用句が生まれたのです。
しかし江戸末期に西洋医学が入ってきたことで腹の虫たちは消えていき、西洋医学の影響で消えた。
今では怒りがおさまらない時に腹の虫のせいにする言葉だけが残ったのです。
虫ならだれも文句言いませんからね。
虫があることで人間関係のクッションになる。
「腹の虫がおさまらない」の虫ってなんの虫?・・・
医者たちが考えたこんな虫~
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