なんで磁石はくっつくの?
磁石はかなり昔に発見され、何千年も研究されている。
人類と磁石の出会いは紀元前のこと。
古代ギリシャのマグネシア地方で天然の磁石が見つかったことから「マグネット」と呼ばれたと言われています。
その時、見つかったのが今も磁石の材料である「磁鉄鉱」という石。
なぜくっつくのかはその後、数千年まで分からないままでした。
しかし、20世紀になると研究は急激に進み、磁石がくっつく驚くべき理由が分かったのです。
1個1個の粒子が磁石としての性質を持つ。
この世界の物体は粒子が集まり作られている。
あらゆる物体を小さくしていくと「原子」や「分子」と呼ばれる。
とても小さな粒子が集まって出来ていることが分かります。
実はこの粒子一つ一つがS極とN極のある磁石の力を持っているのです。
この世界の全ての物体(人間も含む)→磁石が作られている
なぜ原子は磁石の力を持っている?
それは難しいですね。
原子自体が回転している→磁力が生まれる
物体が回るとそこには磁力が生まれます。
なぜ磁力が生まれるのか説明しようとするととても難しい話になりますので省略。
とにかく我々の体も磁石で出来ているということは、まんざら間違いではないのかも。
しかし、人間の体が磁石で出来ているのならば…。
人間も磁石ならなぜくっつかない?
磁石と違って人間の原子の向きがバラバラだから、人間の中の原子は、S極とN極がバラバラの向きであるため、磁力が打ち消しあったりしてくっつきません。
磁石の中の原子はS極とN極が同じ向きにそろっていることで、磁力が強まりくっついたり、反発したりするほどの強い力を生み出しているのです。
一方、磁石にくっつく鉄の中の原子はふだんはバラバラの向きなのですが、磁石を近づけるとあることが起こります。
鉄の場合は…
鉄に磁石を近づけると、鉄の中の原子の向きがそろう。
普段は原子の向きがバラバラになっている鉄。
そこに磁石を近づけると電子の向きが綺麗にそろって磁石にくっつきました。
つまり鉄は磁石を近づけると、原子が磁石と同じ向きにそろう性質があり、鉄も磁石になるためくっつくのです。
ちなみに人間の体も磁石に全く反応しないわけではありません。
例えば、病院の検査で使うMRIは強い磁力を当て、人間の中の水分を反応させることで、体の中を見ているのです。
もしかしたら人間同士がこう回ったら、引き寄せあうみたいなこともあるってことですよね?
引き寄せあいますけど、その方向ではない逆ですね。
磁石の研究は、時代とともに進み、その磁石の技術は現代文明を支えています。
磁石の研究は日本がずっと最先端の世界を引っ張て来た。
すると、強力な磁石を使った世界初の実験を見せてもらえることになった。
東北大学強磁場超伝導材料研究センターにある「無冷媒型超伝導マグネット」。
この種の磁石では世界一の磁力を生み出し、その足場は強い磁力の影響を受けないように木で作られています。
ちなみにお値段=セレブ豪邸2~3軒分。
この磁石でなにが出来るのか?
物を浮かすことができます。
普通は動かないものを強い磁力で反発させて浮かせる。
磁石の同じ極を近づけると反発するように装置の強力な磁力で、普通は動かないものまで浮かせられるという。
今回浮かせようと挑戦するのは「ちくわ」。
世界初だと思います。
およそ1時間かけて磁力を上げていくと…動いた!見事成功!!
次は「かっぱ巻き」
いまだかつて、磁力でかっぱ巻きを浮かせたものはいません。
これも見事成功!!
磁力でちくわとかっぱ巻きを浮かせました。
世界初!!!
磁力でちくわを浮かせるという発想が不思議。
なんでちくわなんだろう。
でも世界初ですごい!
なんで磁石はくっつくの?・・・
原子の向きをきれいにそろえるから~
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