コロナウイルスとの闘い「抗体検査」の課題
Mr.サンデーが取材したのが、イタリア、ボローニア大学病院のビオランテ医師。
イタリアを代表する感染症研究の権威だ。
「私達は15日ごとにボローニアの全ての医療従事者を抗体検査する方針です。
まだ、始めたはかりですが、すでに6000人の医療従事者を抗体検査しました。」最前線で闘う医師たちが重要視する抗体検査とは。
体内に抗体があるかないかを調べるもの。
抗体が確認されればたとえ自覚症状がなくても一度はコロナウイルスに感染したということになる。
ボローニアでは約15万人の医療従事者に抗体検査を義務付けているという。
この緊急プロジェクトにはある狙いがあった。
もし抗体があるならば、その医師は免疫を持っていると言えるので、もう感染することはないと考えられます。
免疫がありウイルスに立ち向かえる人を、患者とじかに接する最前線に当てているのです。
抗体のないスタッフは患者と接することのない部署で働いてもらう。
医療スタッフの命を守りながら患者の命を助けたい。
そのための体制の再構築。
そうすることにより医師が安心できたのです。
しかもこの検査の特徴はその早さにある。
わずかな血液を抗体検査キットに付着させる。
結果が出るまで15分。
これほど簡単にできる抗体検査だが・・・。
抗体検査キットは体外診断用の医薬品という形で日本では研究用のみに使われている。
一体なぜなのか・・・?
スポンサーリンク
緊急体制で進む新薬の開発、既存薬の利用、そして抗体検査。
新型コロナウイルスとの闘いそのものが今試されているのかもしれない。
実は抗体には2種類あってIgM抗体ともう一つがIgG抗体です。
IgM抗体は感染の初期に出現し、そのあと消える抗体です。
一方のIgG抗体はIgM抗体より遅れて出現しそのあと長く持続する抗体なんです。
つまり、IgM抗体の有無で感染の初期段階であるかどうかが判定できるんです。
一方、IgG抗体の有無ですでにコロナウイルスに感染したことがあるかどうかが判定できるんです。
しかし、IgG抗体は実はウイルスによって持続期間が異なるという。
インフルエンザウイルスは早いので毎年ワクチンを打たなくちゃいけない。
ところがはしかなんかは1回かかったら一生かからないのが原則でずっと続く。
だからコロナウイルスがどのくらいIgG抗体が続くかは、今研究中なんです。
そこがわからないのが1つの問題。
病院の、医療崩壊が非常に話題になっていますが、実は大きい病院、外来も破綻しつつあるんです。
抗体検査のキットはアメリカと中国しかないので、是非政府はこのキットの開発に力を入れていたたきたい。
番組公式ページへ