マリモはなんで丸い?
しかし、チコちゃんは知っています。
嵐に乗じて湖を制覇するため~
マリモは丸いと思っているが、丸くないものもある。
丸いマリモの内部=繊維状の藻がギッシリ
この繊維状の藻の一本一本がマリモの生物なので、必ずしも丸い形というわけではない。
小さな塊で水中を漂っているものや、コケのように岩にくっついているものなどいろいろな形のマリモが日本各地の湖に住んでいます。
マリモは日本中の湖に生息。
しかしそのほとんどが丸くない。
世界最大のマリモの群生地、阿寒湖のマリモ。
北海道東部釧路市に位置する湖、阿寒湖。
この湖には直径10㎝を超す丸いマリモが大量に生息しており、中には30㎝以上の大型のマリモも。
これだけ大きなマリモがたくさん生息しているのは世界でも阿寒湖だけ。
1952年には国の特別天然記念物に指定されるなど、阿寒湖の丸いマリモはまさにマリモ代表となりました。
ちなみに日本で初めてマリモが発見されたのも1897年阿寒湖で見つかった。
そのマリモが丸かったボール状の藻を意味する「毬藻(まりも)」という名前が付けられたと考えられている。
阿寒湖のマリモが丸くなるのは、3つの要素が奇跡的に重なったから。
まず1つ目は「遠浅の湾」
阿寒湖は激しい火山活動の結果、他の湖に比べて入り組んだ地形をしており、そこに川からの土砂が流入することで遠浅の地形が生まれています。
マリモは植物➡太陽の光が不可欠
水深が浅く太陽の光が届きやすい→マリモが大きくなりやすい
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2つ目のポイントは「風」
阿寒湖では日の長い夏場に湖の南から北に強い風が吹く。
この風と遠浅の湾が生み出す。
絶妙な何によってマリモは丸くなるために不可欠なある運動を起こすんです。
マリモはその場にとどまりつつ波の力で回転をしていることが初めて分かった。
この回転運動の撮影に成功したことで、マリモが丸くなるメカニズムが判明した。
風・浅い水深が影響→マリモが回転し丸くなる波を生む。
回転することで全体に太陽光を浴び、満遍なく成長し丸いマリモに。
3つ目は「水草」
阿寒湖の湖底には当然マリモ以外の生物も生息しています。
中でも「マツモ」という水草はマリモの天敵と考えられています。
水草はマリモより背が高く、太陽の光を遮りマリモの成長を止める。
水草が増えると回転運動も弱まる。
ところが阿寒湖に台風のような大きな嵐がきたとき、マリモには水草に対抗する大きな武器があるとわかりました。
それこそが、マリモが丸いということ。
マリモの丸さは水草に打ち勝ち、嵐に乗じて湖を制覇するための武器だというのです。
水草は湖底に根を張って生息。
しかし、波の力を受けやすい浅瀬部分で嵐が起こす強い波にさらされると、嵐で根が取れて流されることも。
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その結果、湖岸に打ち寄せられてしまった水草は生きていくことは出来ない。
しかしマリモは根を張らないで丸い状態で生活している。
多少波に流されても生き残ることができるんです。
このように阿寒湖特有の遠浅の湾では、マリモと水草による生存競争が行われているわけです。
そしてマリモは数年に一度の周期にやってくる嵐を利用して、丸いという武器を使って水草に対抗している。
つまりマリモはライバルである水草との生存競争に勝つために丸くなったと言える。
しかし本当に強い嵐のときには、丸いマリモも波の力でバラバラに壊されてしまいます。
ところが小さくなると波の力がやり過ごすことができるので、浅瀬で暮らすことが今度、できるようになります。
こうしてまた、浅瀬で回転運動をしてたっぷりと太陽の光を浴びてマリモは再び丸く大きく育っていく。
マリモはなんで丸い?
嵐に乗じて湖を制覇するため~
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