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なんで服を買うと布の切れ端が付いてくるの?
しかし、チコちゃんは知っています。
かけつぐため〜。
教えてくれるのは、日本ユニフォーム協会参与
ユニフォーム研究家の佐野勝彦さん。すでに完成している服 既製服▶戦後に一般化
それまでは仕立て屋で自分用に生地から仕立てた服を買うか、家庭でシンプルなものを作って着るのが一般的でした。
1950年代中頃から洋服を着るのが当たり前。
既製服が百貨店を中心に売れるようになっていきます。
そんな中、より多くの人に服を買ってもらうために、百貨店はあるサービスを取り入れます。
服に共生地(布の切れ端)を付けるようになった。
この布の切れ端は「共生地 ともきじ」と呼ばれ、百貨店が商品の価値を高め、より多くに人に洋服を買ってもらうために導入したサービスだということです。
当時服は今よりもずっと高価なもので、穴が開いたからといって簡単に捨てられるものじゃなかった。
共生地を使って穴をキレイに塞いでいた。
共生地を縫い付けてもキレイにならなくないですか?プロの手にかかればこの布を使った、服に開いた穴をキレイに消すことが出来ます。
関東では「かけはぎ」とも呼ばれる技法です。
この共生地とかけつぎという技法があれば、1つの服を長く大切に着ることができるので、服に共生地をセットする。
そういうサービスを進めていったんだと思います。
「かけつぎ」とは一体どのような技法なのか?
タバコで出来た大きな穴。
本当に消すことはできるのか?
かけつぎをすること1時間。
穴があった場所が全くわからなくなるほど。
一体どのように穴を塞いだのでしょう?
まずは、直す穴の大きさに合わせて共生地をカットしていきます。
傷よりも少し大きめにカットした共生地から横向きの糸を一部外し、縦糸だけを残します。
更にかけつぎに欠かせないのが、糸の輪を通した針。
まずは穴の近くに針を刺し、輪にした糸を服に通します。
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そこに共生地の縦糸だけを残した部分を重ねます。
ここからが…。
この2本をこの糸の輪っかに挟み込んで向こうにへ抜きます。
共生地の縦糸2本だけを輪の中に通し、そのまま輪を引いて巻き込みます。
共生地の縦糸を服の補修部分に織り込みます。
横から見ると共生地と服はこのようになっており、輪にした白い糸は抜け、共生地の糸だけが服に織り込まれます。
織り込むこと150回以上。
共生地の糸が元の服に全て織り込まれています。
つなぎ目はわかるので、仕上げ作業。
この仕上がりは匠の技。
完成
しかし、今では共生地を使う機会が減少。
穴が開いたら買いかえればいい。
いつしか共生地が付いている意味すら忘れ去られる時代に。
しかし、今でもかけつぎで直した女性が・・・。
なぜ今、かけつぎで直した理由?
このスーツを買う時に一緒に選んでもらった方が、お仕事でもお世話になっているすごく尊敬している方。
頑張るぞって思う時に着るといいことがあるし、頑張れる特別なスーツ。
他のものじゃなくて、今のスーツを直して着たい。
破れてしまって、でもすごくキレイに直してもらって、より大事なスーツになったって思います。
服に刻まれた思い出や歴史を傷や穴を直すことで、大切に残す伝統のかけつぎ。
それを支えるこの小さな切れ端が、今なお服に付けられているのは「服を大切に着続けてほしい」という作り手からのメッセージなのかもしれません。
なんで服を買うと布の切れ端が付いてくるの?
かけつぐため〜。
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