お地蔵さんって誰?
閻魔大王〜。
お地蔵さんは閻魔(えんま)大王。
2500年前に亡くなったお釈迦様に代わり、戻ってこられたのがお地蔵様。
そのお地蔵様が閻魔大王のことだと信じられるようになりました。
これは「望月仏教大辞典」という仏教学について書かれた本。
十王=あの世で地獄行きか極楽行きかの審判について書かれた項目。
閻魔王は地蔵菩薩。
そもそも皆さんが「お地蔵さん」と呼んでいるのは「地蔵菩薩」のことなんです。
「地蔵」はサンスクリット語で、インドの大地の恵みをつかさどる神。
「菩薩」は仏教で悟りを得るために修行するもの。
つまりインドの天地の恵みをつかさどる神が仏教に取り入れられて、地蔵菩薩が誕生したというわけです。
インドで大地の恵みの神から、全ての人を救う修行を課せられた地蔵菩薩になり、閻魔大王と重ね合わされるようになったといいます。
すべての人を救う地蔵菩薩があの世にいる怖い神様の閻魔大王と、同一視されるようになったと考えられます。
宋の時代の経典には、既に「地蔵菩薩が閻魔大王である」という記述が。
そこに記された地蔵菩薩が閻魔大王であることを示す深い物語・・・。
中国の四川省で知事をしている郭徐安(かくじょあん)は、みんなから尊敬される立派な人物であったが、仏さまを信じていなかった。
ある時、郭徐安は大変な熱病にかかってしまい、なかなか治らなかった。
信心深い郭徐安の妻は夫の回復を願って、一日中地蔵菩薩を作っていた。
しかし、郭徐安はそんな妻に、仏に祈ったって治るはずがない、無駄なことをしていると言っていた。
そしてとうとう郭徐安は亡くなった。
郭徐安が目を覚ますとそこには、長蛇の列が…。
そして列の先にいたのは閻魔大王。
仏を信じていなかった郭徐安はきっと地獄行きに違いないと思っていた。
ちらりと郭徐安を見た閻魔大王は、恐ろしい形相で駆け寄った。
名前を聞くとそんな名前は書いていないと閻魔大王。
閻魔大王に現世の入口まで送ってもらうことになった郭徐安は最後に聞いてみた。
どうして私を助けてくれたのか?
郭徐安が尋ねた次の瞬間、そこに現れたのはお地蔵さん。
そのお地蔵さんが閻魔大王として人を裁いているんだが、実は現世ではお地蔵さん。
だから奥さんが作ったお地蔵さまが郭徐安のことを見ていた。
奥様に感謝だよと。
そういうとお地蔵さまは光に包まれて消えていった。
そして再び郭徐安が目を覚ますと、泣き崩れる妻の姿。
郭徐安は妻に命の恩人だと感謝した。
それから二人はいくつものお地蔵さまを作り、人々にもその信仰を広めながら幸せに暮らしたそうだ。
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もともとはヒンドゥー教の裁きの神だった閻魔大王が、仏教で救いの神として取り入れられ、その救いの姿が全ての人を救う地蔵菩薩の化身として、重ね合わされるようになった。
平安時代末期、日本に伝来。
現世だけでなく地獄でも人々を救うとされるお地蔵様は、同時に閻魔大王として人々の行いを監視し、裁くという一面も持っているのです。
閻魔大王の前ではうそがつけないと言いますが、いつもお地蔵さまの姿でどんな時でも見ている。
防犯カメラのようなものだ・・・。
お地蔵さんって誰?
閻魔大王〜。
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